突然ですが
“皆さんは学校が好きでしたか?”
迷いなく好きだった!嫌いだった!と答えが出る方もいれば、小学校は好きだったけど中学校は嫌いだったとかその逆のパターンだとか、皆さん様々な思いがあると思います。
ちなみに私は嫌いではありませんでしたが、かなり退屈に感じていました。学習面でいえば、自分が苦手な先生の授業はほとんど聞いていなかったような気がします。今考えればとても生意気な生徒ですね(笑)
では、もしも「学校に行かずに勉強ができる」という選択肢があったら皆さんはどうしていたでしょうか?
ホームスクーリングとは
現在、日本を含む世界各国で学校に行っていない子供たちが増えていることを皆さんは知っていますか?「学校に行っていない子供たち」と聞いて皆さんはどのような印象を持ったでしょうか。
いじめにあって不登校になってしまったのかな?家庭内で何か問題を抱えているのかな?
こんな風にネガティブな印象を持った方が多いのではないでしょうか。
しかしそうとも限りません。
その理由は現在、学校に通わずに家庭で勉強をする「ホームスクーリング」が世界中で広まってきているからなのです。ここからはホームスクーリングについて皆さんと一緒に学んでいきたいと思います!
「ホームスクーリング」とは前述の通り、学校に通わずに家庭で勉強をする教育方法のことを言います。これは学校で行われている授業を自宅で受けるという意味ではなく、保護者自身が学校の先生に代わって子供を教育していくことを意味します。
各国のホームスクーリングの現状
この教育方法は世界中の実に様々な子供たちに学びの場を与えているわけですが、それぞれの国によって大きく異なる点が1つあります。それは「法で認められているかどうか」です。それぞれを整理してみると以下のようになります。
合法 アメリカ、イギリス、オーストリア、カナダ、チェコ共和国、フランス、ハンガリー
ロシア、シンガポール
違法 日本、イタリア
皆さんお気づきの通り、日本はまだホームスクーリングが法で認められていません。
というのも日本は小・中学校の9年間に通学義務を定めているからです。そのため大々的にホームスクーリングにOKを出すことはできません。しかしながら学校以外での教育が認められ始めてきていることも事実です。
ここで日本の教育に関する法律を1つご紹介したいと思います。
それは「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」です。とても長いですよね(笑)そのため「教育機会確保法」と省略して呼ばれています。
この「教育機会確保法」の第十二条には以下のような記載があります。
第十二条 国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場において行う学習活動の状況、不登校児童生徒の心身の状況その他の不登校児童生徒の状況を継続的に把握するために必要な措置を講ずるものとする。
つまり、学校に通えていない子供たちに対して学校以外の環境でも学習を行えるよう、柔軟に対応していこうといった内容です。ホームスクーリングを合法としている国の中にもここ数年で法律が変わり、最近やっと認められるようになったという国もあるので日本のこれからの動きに注目していきたいです。
では、そもそもなぜホームスクーリングはここまで人気を集めているのでしょうか?
ここでホームスクーリングのメリット・デメリットをいくつかご紹介したいと思います。
まずはメリットから見ていきましょう!
メリット・デメリット
メリットその1 自分のペースで学習ができる
ホームスクーリングでは周りを気にする必要がないため自分のペースで学習を進めることができます。自分が得意なところはどんどん先に進んでいけるし、苦手なところは克服するまでたっぷり時間をかけることができます。
メリットその2 個性や能力を伸ばしやすい
学校は集団行動を基本としているため、そこから外れる行動や考え方は周りから受け入れられないことが多く、それによって“普遍的でいなければならない”と無意識に感じてしまう子供たちも多くいるのではないでしょうか。その点ホームスクーリングでは周りに無理をして合わせることなくその子本来の個性や能力を存分に発揮することができます。
メリットその3 時間の縛りがない
私個人的にはこのメリット3に最も魅力を感じています。というのも私は小・中学校の授業を丸1時間、集中して受けられた試しがありません。当時の私は1時間ただひたすら先生の説明を聞くことほど退屈な時間はないと思っていました。本当に困った生徒です(・・;)
そんな私からすると自分の集中力に合わせて勉強時間を設定できるというのはとても大きな魅力に感じます。
では続いてデメリットを見ていきましょう!
デメリットその1 自己管理能力が必要不可欠
ホームスクーリングは皆さんもうお気づきの通り、自由度が非常に高いです。
そのため「今日はやる気が出ないから明日からやろう」などといった明日も絶対にやらないであろう甘い考えを持ってしまう可能性が大いにあります。「自由」であることをメリットにするかデメリットにしてしまうかは自分次第であるということです。
デメリットその2 同年代の子と出会う機会が限られる
もちろん学校以外の場所でも交友関係を持つことは可能ですが、圧倒的に多くの人と出会えるのはやはり学校だと思います。そのためホームスクーリングをしながらも交友関係を広く持つためには塾や習い事など、学校以外のコミュニティを積極的に利用する必要がありそうです。
デメリットその3 保護者の負担が大きい
序盤でも少しお話ししましたが、ホームスクーリングにおいて保護者は学校の先生に代わって子供を教育するというとても大きな役割があります。勉強に関して右も左もわからない子供たちにとって唯一のガイドラインが保護者になります。そのため保護者の教育の仕方で子供の人生が決まるといっても過言ではありません。つまりホームスクーリングには保護者の強い覚悟が求められるのです。
さあ、簡単ではありましたがホームスクーリングのメリット・デメリットをそれぞれ3つずつご紹介しました。皆さん、改めてどのような印象を持ちましたでしょうか。
皆さんがホームスクーリングについて少しでも考えるきっかけになれば嬉しいです。
まとめ
私がこの記事を通して最も伝えたいことは
「教育の世界は皆さんが思っているよりずっと広い」ということです。
何かやりたいことに挑戦する時、世間の常識や周りの目に縛られる必要は一切ありません。もちろんそれが勉強である必要もありません。
今やりたいことがあるのなら、それを叶えられそうな環境に思い切って飛び込んでみるのもいいかもしれません。何かにワクワクする気持ちや心がおどる瞬間をどんな時でも大切にしてください。
今回扱った「ホームスクーリング」が世界中の子供たちの選択の幅を広げ、その子たちの笑顔が1つでも増えることを願っています。
(edit by RIRI)
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